独立行政法人福祉医療機構が2021年度(令和3年度)決算に基づく特別養護老人ホーム(従来型・ユニット型)の経営分析参考指標の概要を公表しました。赤字施設(経常増減差額が 0 未満)の割合は、従来型で42.0%と前年度より 6.8ポイント上昇、ユニット型で 30.5%と前年度より1.5ポイント上昇しました。
サービス活動収益対サービス活動増減差額比率
本業であるサービス活動収益から得られた増減差額を示す指標で。この値が高いほど収益性が高い事業といえます。サービス活動収益対サービス活動増減差額比率は、従来型で1.4%と前年度より1.2ポイント低下、ユニット型で4.8%と前年度より0.5ポイント低下しました。
利用者1人1日当たりサービス活動収益
サービス活動収益を年間延べ利用者数で割り戻した収益であり、事業全体の収益性を判断する指標で、この値が大きいほど収益増加に寄与することになります。利用者1人1日当たりサービス活動収益は、従来型で12,406円と前年度より141円上昇、ユニット型で14,565円と前年度より 112円上昇しました。
利用率
事業の定員数に対して、どの程度のサービス利用が行われたかを示す指標で、この値が高いほど施設が有効に活用されていることとなり、収益増加に寄与することになります。利用率は、従来型で特養入所93.7%と前年度より0.5ポイント低下、ユニット型で特養入所93.8%と前年度より0.6ポイント低下しました。
人件費率
サービス活動収益に対する人件費の占める割合を示す指標で、この値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなりますが、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要です。人件費率は、従来型で65.9%と前年度より0.5ポイント上昇、ユニット型で63.1%と前年度より0.4ポイント上昇しました。
従事者1人当たり人件費
従事者1人にかかる平均人件費から給与水準を示す指標で、この値が小さいほど費用削減に寄与することになりますが、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要です。従事者1人当たり人件費は、従来型で4,468千円と前年度より65千円上昇、ユニット型で4,202千円と前年度より23千円上昇しました。
経費率
サービス活動収益に対する経費の占める割合を示す指標で、この値が低いほど収益に対する費用の負担は軽くなります。ただし、良質なサービスを提供する上では適切な値に留めることも重要です。経費率は、従来型で28.3%と前年度より 0.5ポイント上昇、ユニット型で24.7%と0.2ポイント上昇しました。経費のうち、サービス活動収益対水道光熱費率は従来型で4.9%と0.5ポイント上昇、ユニット型でも4.3%と0.4ポイント上昇しました。
独立行政法人福祉医療機構「2021 年度(令和 3 年度)決算特別養護老人ホーム(従来型・ユニット型)の経営分析参考指標の概要について」
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