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介護福祉士の約4人に3人「専門職でなくても対応できる業務」に時間を取られることで、「やりがいが損なわれている」

介護の現場で働く皆さんの中には、日々のケアや利用者とのコミュニケーションに追われながらも、「気がつけば雑務ばかりに時間を取られている……」と感じたことがある人はいるのではないでしょうか?実際、介護現場で働く介護福祉士は、業務時間の3割超が介護専門職以外でも対応できる業務に取られており、そのことでやる気が削がれていることが、ある調査からわかりました。

調査はスポットワークのタイミーと、ベネッセスタイルグループで医療・介護特化型人材マッチング事業を行うベネッセキャリオスが、9月に共同で行った「介護現場の業務実態に関する調査」です。全国の特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなどで働く20~69歳の介護福祉士309人が回答しました。

介護の専門職以外でも対応できる業務「ある」84.5%

調査では、まず勤務先の人手状況について尋ねました。その結果は「大幅に不足している」が33.7%、「やや不足している」が49.5%で、合計83.2%が人手は足りていないと回答しました。従来から指摘されている介護業界の深刻な人手不足が多くの現場で続いていることが改めて示されています。

一方、介護の専門職以外でも対応できる業務が施設内の業務でどの程度あるかを尋ねたところ、「かなり多くある」が25.6%、「ある程度ある」が58.9%で、この2つの合計は84.5%でした。さらにこうした業務に「時間を取られている」と感じているか否かについては、「非常に時間を取られている」が36.5%、「やや時間を取られている」が48.6%、合計85.1%にのぼりました。

プレスリリースより

 介護の専門職以外でも対応できる業務例については(複数回答)、「洗濯・洗濯物たたみ」が68.9%、「シーツ交換・ベッドメイク」が66.3%、「館内の物品運搬・ゴミ出し」が64.7%、「配膳・下膳・食器洗浄」が62.1%、「居室・共用部の清掃」が61.8%などでした。

これら介護専門職以外でも対応できる業務に費やしている時間は、「2~3時間未満」が34.7%、「3~4時間未満」が10.4%、「4時間以上」が10.4%で、実に2人に1人以上(55.6%)が、こうした業務に1日2時間以上を費やしている実態が浮き彫りになりました。これら業務が回答者の勤務時間全体に占める割合の平均は31.0%に達しており、資格や経験を持つ専門職の時間が、資格がなくても対応可能な業務に追われている実態も明らかになっています。

52.5%の介護福祉士「専門職以外でも対応できる業務によって自身の働き方に影響」

回答した介護福祉士に「利用者と直接向き合うケア」に使いたい勤務時間割合を尋ねた結果は、「(勤務時間の)7割以上」と答えた人が44.7%にのぼりました。しかし、実際にその時間を確保できていると回答した人はわずか19.7%にとどまっており、理想と現実の間に大きなギャップがあることがわかります。

専門職以外でも対応できる業務に時間を取られることであきらめている、あるいはできていない業務(複数回答)を尋ねた結果は、「一人ひとりに合わせた個別ケア」が61.6%、「利用者との会話・傾聴」が58.4%、「レクリエーションの充実」が49.4%、「利用者の小さな変化への気づき・観察」が42.9%、「記録を丁寧に書くこと」が36.7%でした。

プレスリリースより

専門職以外でも対応できる業務に時間が取られている結果、自身の働き方に出ている影響(複数回答)は、半数を超える52.5%が「(自身が提供する)介護サービスの質が下がっている」と回答しています。このほかにも「休憩が十分に取れていない」が39.6%、「有給休暇が取りづらい」が37.5%、「残業が発生している」が33.9%などとなっています。なお、施設の経営・運営面での影響(複数回答)については、「職員の離職」が51.0%、次いで「サービス品質の低下・クレーム」が47.2%、「残業代・人件費の増加」が35.4%との回答結果でした。

今回の回答者には介護職の仕事でやりがいを感じる瞬間も尋ねています(複数回答)。その結果は「利用者から『ありがとう』と言われたとき」が35.0%、「利用者の状態や表情がよくなったとき」が31.4%、「給与・待遇で評価されたとき」が28.8%、「チームで良いケアができたとき」が25.6%、「利用者やご家族と信頼関係が築けたとき」が24.6%でした。介護職が感じるやりがいは、利用者や家族と直接向き合う時間から生まれていることがわかります。

調査では専門職以外でも対応できる業務に時間を取られていると感じている人に、そのことより介護の仕事へのやりがいが損なわれているかも尋ねています。「とてもそう感じる」が22.0%、「ややそう感じる」が53.5%で合計は75.5%。約4人に3人が専門職以外でも対応できる業務に従事させられることで、やりがいが損なわれているという極めて深刻な結果です。

「もし『介護の専門職でなくても対応できる業務』を任せられる人がいて、利用者のケアに専念できるとしたら、今の職員数のままで人手不足は解消されると思いますか」という質問に対する回答は、「完全に解消される」が9.1%、「ある程度解消される」が57.7%、合計で66.8%の人が人手不足の解消につながるとの認識を持っていました。

さらに、そうした環境が実現したとしたら何をしたいかという質問には、「より専門性の高い資格取得への挑戦」が69.3%、「介護から離れた元同僚・友人への復帰の勧め」が51.8%、「家族や知人に介護の仕事を勧めたい」が41.8%という結果が得られています。

「業務の切り分け」と「担い手の拡大」がカギ

ここで今回の調査結果を受けて施設経営サイドは自施設で何をすべきかというと、まずは現在の人員で業務を回せているのかどうかを厳格に見極めることから始める必要があります。この作業はとくに「何とか回せている」「問題なく回せている」という施設ほど必要です。要は「本当に人手が足りているのか?隠れ人手不足はないのか?」をあぶりだすためです。

 そのうえで人手が足りていないことが確定的ならば、介護専門職が非専門業務にどれだけの時間を割いているかを定量化します。これについてはやや面倒かもしれませんが、タイムトラッキング・業務可視化アプリなどを利用すると良いでしょう。

 少なくとも今回の調査のように専門職の業務時間の3割が非専門業務に割かれているのは、あまり適切とは言えません。この場合、可視化したデータから、専門職以外に切り出せる業務を抽出して分類します。おそらく複数の業務が切り出せるでしょう。

 とはいえ、そうした業務すべてを一気に外注する、あるいは非専門職に委託するのは、心理的ハードルは高いと感じる施設も少なくないでしょう。その意味では自施設にとって最も切り出しやすい業務、つまり外注、非専門職への委託による影響の少ない業務1つをパイロット的に移管するならば、ハードルはかなり低いのではないでしょうか?この際に丸ごと外注するか、スポットワーク事業者あるいはそのほかのルートで人手を確保するのかは、各施設の事情に合わせて考えればよいでしょう。

 同時にこうした業務変更は、まさに専門職が専門業務に集中する時間を作るためのものですから、専門職にとって空いた時間をどのような業務へ振り分けるか、あるいは休憩・休暇取得に充てるかも事前に取り決めをしておくのが望ましいと言えます。

人手不足が叫ばれる現代の介護現場において、「業務の切り分け」と「担い手の拡大」は、介護の質を守り、職員一人ひとりのやりがいを取り戻すための大きな鍵となりそうです。

株式会社タイミー プレスリリース

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