
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが3月に公表した令和6年度介護報酬改定後の特養ならびに地域密着型特養の加算や経営に関する最新調査結果から、高齢者施設等感染対策向上加算、退所時情報提供加算、退所時栄養情報連携加算の算定状況について解説します。

高齢者施設等感染対策向上加算 75%が「算定せず」
高齢者施設等感染対策向上加算は、施設内で感染者が発生した場合に、感染者の対応を行う医療機関との連携の上で施設内で感染者の療養を行うことや、他の入所者等への感染拡大を防止することが求められる観点から新設された加算で
・新興感染症の発生時等に感染者の診療等を実施する医療機関(協定締結医療機関)との連携体制を構築していること。
・上記以外の一般的な感染症(※)について、協力医療機関等と感染症発生時における診療等の対応を取り決めるとともに、当該協力医療機関等と連携の上、適切な対応を行っていること。※新型コロナウイルス感染症を含む。
・感染症対策にかかる一定の要件を満たす医療機関等や地域の医師会が定期的に主催する感染対策に関する研修に参加し、助言や指導を受けること。
を評価する加算となっています。
令和6年9月の高齢者施設等感染対策向上加算について、「いずれも算定していない」が75.1%と最も多く、次いで「(1)のみを算定」が7.9%でした。

退所時情報提供加算 8.2%の特養で算定
退所時情報提供加算は、入所者が医療機関へ退所した際、生活支援上の留意点等の情報提供を行うことを評価する新規加算。令和6年9月に退所時情報提供加算を算定していた割合は8.2%でした。

退所時栄養情報連携加算 2.0%の特養で算定
退所時栄養情報連携加算介護保険施設の管理栄養士が、介護保険施設の入所者等の栄養管理に関する情報について、他の介護保険施設や医療機関等に提供することを評価する新加算です。令和6年9月に退所時栄養情報連携加算を算定していた割合は2.0%でした。


三菱UFJリサーチ&コンサルティング「特別養護老人ホームにおけるサービス提供のあり方に関する調査研究事業」