株式会社SOKKINが介護士の業務量や残業・夜勤、職場の満足度などについてインターネット調査を実施。その結果を公表しました。調査はインターネット調査によって、2024年10月22日~2024年10月27日にかけて行われました。
現在の働き方について、45%の介護士が「あまり満足していない」「全く満足していない」と回答しました。その理由について、「人が足らず常に厳しい状態」「責任ある仕事が増える一方で給料はあがらない、残業が増えるといった悪循環のため」「残業しても残業代がないので、やる気に繋がらない」「属人化・担当制になっていて交代ができない。癖の強い利用者様に対してストレスもたまってしまいますし休みにくい」「有給が勝手に組み込まれる」「風通しが悪すぎる。古い職員の考え方が正しく、新しいことを口にしても否定される」「年に4回、有給消化と合わせて5連休が取れるという話があったが、職員が不足しているため実際は全く取れない」などが挙がりました。
14%の介護士「サービス残業がある」
現在の職場の1人あたりの業務量について、「業務量が多すぎる」が55%、「適切な業務量」が29%という結果になりました。また、職場での残業について、78%が「残業がある」と回答。そのうち、14%が残業代の出ない「サービス残業がある」と回答しました。
約1割の介護士で1か月につき「9回以上の夜勤」
1ヶ月あたりの夜勤の回数については、「1~6回」が最も多く63%でしたが、「9回以上」も8%が回答しました。厚生労働省は前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定の合間をもうける『勤務間インターバル制度』を推奨していますが、「勤務と勤務の間は11時間以上空けているかどうか」を聞いたところ、23%の介護士が「空いていない」と回答しています。
職場への不満「人員不足」や「給与」など
さらに調査では職場に関する不満を聞いています。いかに自由回答を記載します。
【人員不足】
・人がすぐに辞めていく
・職員の離職率がとにかく高い。減った分の人員をタイミーで補っているため、職員の負担がいつも大きい
・夜勤専従者がいることにより、日中働いている職員が作業を夜勤に回し過ぎているのが問題だと思う。管理者はまだなったばかりなので、フロアリーダーに強く言えず、ほとんど言いなりになっている。夜勤専従がみんな辞めていくのは負担が理由だということに誰も気づいていない職場なので、私ももう見切りをつけている。
【給与】
・昇給などが明確に示されていない
・給料が低い、ベースアップ加算や、処遇改善加算を操作されすぎて、長年働いていても年収が変わっていない。残業しても月収が変わらない
・お給料が不透明なとこ
・時給が低い。手当が色々とついているがそれがなければ大阪府の最低賃金と同等。精神的・肉体的にキツイ職業で基本の時給が低いのは人員不足の原因にもなっていると思う
【有給休暇】
・有給休暇はシフトを作成する人が勝手に割り振りし、個人的に取らせてもらえない
【カスタマーハラスメント】
・会社が守ってくれている感覚がないこと。介護者と利用者、1対1で責任をもって解決しなければならない感覚がある
【人間関係】
・職場の上司が、お気に入りの職員とそうじゃない職員との対応が違う
・職場の人間関係が希薄で、コミュニケーション不足を感じる。チームワークの向上が必要
株式会社SOKKIN プレスリリース
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