公益財団法人介護労働安定センターが公表した、令和5年度の介護労働実態調査の労働者調査結果から、就労及び労働条件、賃金、能力開発の状況、仕事への満足度や悩みといった就業意識等について解説するシリーズの7回目。労働者調査は令和5年10月に行われ、20,699名からの回答がありました。
仕事のやりがい「利用者の援助・支援や生活改善につながる」
今の仕事のやりがいや働きがいについて、「利用者の援助・支援や生活改善につながる」 が 36.4%で最も多く、「福祉に貢献できる」の 28.0%、「専門性が発揮できる」の 25.8%、 「仕事が楽しい」の 24.2%、「己分が成長している実感がある」の 21.7%と続きました。年齢層別では、「自分が成長している実感がある」、「キャリアアップの機会がある」、「仕事が楽しい」、「法人(事業所)や上司から働きぶりが評価される」、「期待される役割がある」、「目標にしたい先輩・同僚がいる」で若年層の割合が全体平均よりも多くなっています。
仕事の満足度 介護職員で全体的に低く
仕事の満足度について、「職業生活全体」では、「満足」と「やや満足」の合計は 23.7%、「満足」と「やや満足」の合計から「不満足」と「やや不満足」の合計を差し 引いた「満足度D.I.」は 8.5 ポイントとなりました。「満足」が最も多いのは「職場の人間関係・コミュニケーション」で 18.9%、続いて「仕事の内容・やりがい」の 18.1%、「雇用の安定性」の 16.3%、 「労働時間・休日等の労働条件」の 15.8%、「職場の環境」の 15.4%の順となりました。「満足度 D.I.」が最も高いのは、「仕事の内容・やりがい」の 38.0 ポイントで、続いて「職場の人間関係・コミュニケーション」の 28.7 ポイント、「雇用の安定性」の 21.0 ポイント、「職場の環境」の 17.7 ポイントの順となりました。
介護職員の満足度D.I.は、全項目で全体平均を下回って推移、かつ、「賃金」をはじめマイナスの満足度D.I.も多くなっています。プラスで推移している満足度D.I.も、すべてが対前年度比減となっており、またマイナス値となっている満足度D.I.のほとんどはマイナスのままにとどまっています。
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
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