公益財団法人介護労働安定センターが公表した「令和5年度の介護労働実態調査」。調査は「介護労働者の就業実態と就業意識調査」と「事業所における介護労働実態調査」から構成され、「介護労働者の就業実態と就業意識調査」は介護労働者を対象に、就労及び労働条件、賃金、能力開発の状況、仕事への満足度や悩みといった就業意識等について、また、「事業所における介護労働実態調査」は介護事業所を対象に、介護事業所で働く労働者の確保や定着・雇用管理、人材育成、処遇改善、福利厚生の状況や事業運営上の課題についてアンケートを実施しています。
労働者調査は令和5年10月に行われ、20,699名からの回答がありました。この調査結果から介護労働者の実態をシリーズでお伝えします。
現在の仕事(職種)を選んだ理由「働きがいのある仕事だと思った」
現在の仕事(職種)を選んだ理由については、「働きがいのある仕事だと思ったから」が 42.3% で最も多く、続いて「資格・技能が活かせるから」の 29.5%、「人や社会の役に立ちたいから」の 27.4%、「今後もニーズが高まる仕事だから」の 26.6%の順となりました。 男女別では、男性では「働きがいのある仕事だと思ったから」、「今後もニーズが高まる仕事だから」、「人や社会の役に立ちたいから」、「資格・ 技能が活かせるから」の順で、女性では「働きがいのある仕事だと思ったから」「資格・技能が活かせるから」、「人や社会の役に立ちたいから」、「今後もニーズが高まる仕事だから」の順となっています。職種別では、訪問介護員、介護職員、サービス提供責任者、生活相談員、看護職員は「働きがいのある仕事だと思ったから」が最も多く、PT・OT・ST等、介護支援専門員は「資格・技能が活かせるから」が最も多い結果となりました。
現在の職場を選んだ理由 半数以上が「通勤が便利だから」
現在の事業所に勤め始めた理由について、「通勤が便利だから」が 50.3%で半数以上を占めました。以下、「仕事の魅力ややりがいがあるため」の 32.6%、「職場の人間関係がよいため」の 31.4%、「残業が少ない、有給休暇をとりやすい、シフトがきつくないため」の 27.3%となっています。 男女別では、第 1 位はともに「通勤が便利だから」でしたが、女性が 53.9%、男性が 38.7% と女性の方が通勤をより重視していることが窺えます。年齢層別では、各層とも上位は全体とおおむね同一ですが、「20~25 歳未満」で「法人の方針や理念に共感したため」は 23.6%と他の年齢層よりも 多くなっています。
職場選びの方法・経路「友人・知人からの紹介」が最多
現在の職場に就職した経路・きっかけについて、「友人・知人からの紹介」が 35.3%で最も多く、「ハローワーク」の 20.1%、「求人情報サイト」の 8.1%、「折込チラシ、新聞・雑誌の広告」の 5.2%と続きました。男女別では、「友人・知人からの紹介」で女性が男性を約 3 ポイント上回っていることが特徴的です。年齢層別では、「20~24 歳」の第 1 位が「学校・養成施設等での進路指導」の 24.1%となったほか、「民間の職業紹介」や「求人情報サイト」はいずれも「25~29 歳」が最も多くなっていました。
公益財団法人介護労働安定センター「介護労働実態調査」
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