
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが3月に公表した令和6年度介護報酬改定後の特養ならびに地域密着型特養の加算や経営に関する最新調査結果から、「配置医師が施設に「いる」「いない」で看護職員の業務負担はどう変わるのか」について解説します。

配置医師がいた日
配置医師がいた1日の「勤務時間合計」は平均で7時間29分で、そのうち「医師による診療の補助」に係る時間が1時間10分、「入所者の観察・バイタルチェック」が59分でした。

配置医師がいなかった日
配置医師がいなかった1日の「勤務時間合計」は平均で7時間43分で、そのうち「入所者の観察・バイタルチェック」が1時間7分、「入所者に対する直接の医療処置等」が58分でした。

特養では、緊急時の対応を含む医療処置の実施が看護職員の大きな役割に
調査結果から、看護職員の業務としては入所者の観察・バイタルチェック及び医療処置等に係る時間(診療の補助、通院付添、服薬支援含む)が5割を超えていたことがわかりました。また、協力医療機関との定期的な会議に看護職員が参加している割合は7割を超えていました。調査報告書では、入所者の変化をいち早くとらえてアセスメントを行い、必要に応じて配置医師や協力医療機関の医師へ相談・連携を行い、緊急時の対応を含む医療処置を実施することが介護老人福祉施設における看護職員に求められる大きな役割であることがあらためて確認された、と分析しています。


三菱UFJリサーチ&コンサルティング「特別養護老人ホームにおけるサービス提供のあり方に関する調査研究事業」