
社会福祉法人東京都社会福祉協議会ならびに東京都高齢者福祉施設協議会は同会所属の特別養護老人ホーム511施設を対象に、令和7年度の介護ロボット及び ICT機器等の導入及び活用の実態を調査し、その結果を公表しました。そのなかから、ICTソフトウェアや通信機器に関する調査結果をピックアップして解説します。
調査では、それぞれの機器・ソフトウェアごとに「導入していて、日常的に活用している」「導入しているが、日常的な活用はない」「導入を検討したが、導入していない」「関心はあるが、導入の検討はしていない」「関心がない」の5つの選択肢のどれかを選ぶ内容となっています。
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介護記録ソフト 95%以上の特養が導入
介護記録ソフトについては「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が92.58%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が2.47%となり、合計の導入率は95.05%となりました。前年度比では約2%増加し、ほぼ全ての特養が導入・活用しています。

音声入力ソフト 導入増だが使いこなせない施設も
音声入力ソフトについては「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が10.28%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が13.83%となり、合計の導入率は24.11%となりました。前年度比では導入率は増加していますが、導入した施設の半数以上が「日常的な活用はない」とうまく使いこなせていない可能性があります。

勤務表作成ソフト 導入率は微増も活用する特養が増加
勤務表作成ソフトについては「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が13.12%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が2.84%となり、合計の導入率は15.96%となりました。導入率自体は微増ですが、「日常的に活用している」特養の割合が増加しています。

議事録作成ソフト 導入率が前年度よりも約8倍に増加
議事録作成ソフトについては「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が10.99%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が7.09%となり、合計の導入率は18.09%となりました。前年度の導入率が2.51%だったので大幅な導入増となっています。

文書作成ソフト(ChatGPT 等) 導入率が前年度の約3倍に
文書作成ソフト(Chat GPT 等)については「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が10.99%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が6.74%となり、合計の導入率は17.73%となりました。前年度の導入率6.90%から大きく増加しています。

e-ラーニングを活用した施設内研修 導入率はほぼ横ばい
e-ラーニングを活用した施設内研修については「導入していて、日常的に活用している」と回答した特養が54.09%、「導入しているが、日常的な活用はない」と回答した特養が6.74%となり、合計の導入率は11.03%となりました。前年度と導入率はほぼ変わっておらず、他のソフトウェアと違ってある程度固定化している可能性があります。

主要な職員間連携連絡システム 平均2つ以上のシステムを活用
主要な職員間連携連絡システムについて、使用頻度が多いシステムを複数選択で聞いたところ、択一問題の回答数280前後を大きく上回る、684回答があり、特養において平均2つ以上の機器やシステムを職員関連携に活用していることが分かりました。回答結果は、「介護記録ソフト内掲示板」25.00%で最も多く、「PC メール(例:Outlook)」22.81%、「携帯電話(ショートメールを含む)」20.47%と続きました。

調査結果について、同会では「前年度との比較において、ChatGPT に代表される生成 AI を含む文書作成支援ツールへ の関心の高まりと導入・活用の進展が顕著に見られた。これは、介護現場における業務効 率化のニーズが、より高度な情報処理支援へと拡張していることを示唆している」と分析しています。
東京都高齢者福祉施設協議会 デジタル推進委員会「令和7年度 デジタル機器 (介護ロボット・ICT機器)等の 導入及び活用に関する実態調査 報告書」



