厚生労働省が公表した「第14次労働災害防止計画」において、「介護・看護作業において、ノーリフトケアを導入している事業場の割合を2023年と比較して2027年までに増加させる」と介護職員の腰痛防止策について具体的に言及されています。では、介護職員のどれだけが腰痛に悩み、どんなシーンで痛みを感じているのでしょうか?一般社団法人茨城県福祉サービス振興会が2017年に実施し、茨城県内の76施設の介護職員2,921人が回答した「介護職員の腰痛に関する実態調査」から解説します。
介護職員の約4人に3人が腰痛に 「おむつ交換」で痛み発生多く
調査段階での腰痛実態について、「現在腰痛がある」と回答したのは44.3%の1,294人。「過去に腰痛があった」という回答と合わせると75.7%が腰痛に悩まされていることが分かりました。腰痛の発生頻度についても「ほぼ毎日」が38.2%、「週に3~4回」が22.7%と半数以上の方が恒常的に腰痛に悩まされていることが分かりました。
痛みの有無やその痛みの程度をシーン別に分けると、「おむつ交換」時が痛みの有無に加えて痛みの程度においても最も深刻であることが分かりました。
施設運営・人材マネジメントにおいて、「大多数の職員が腰痛を抱えている」という前提で、スライディングシート・ボードや介助バー、リフトなどの「働きやすい環境整備」が求められます。
一般社団法人茨城県福祉サービス振興会「介護職員の腰痛に関する実態調査集計結果」
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