規制改革推進会議は6月1日に「規制改革推進に関する答申」を公表しました。今回、公表された答申の中から、介護に関連し、報酬改定にも影響を及ぼしそうなトピックを2回シリーズで紹介します。
答申の医療・介護・感染症対策分野では、「デジタルヘルスの推進 デジタル技術を活用した健康管理、重症化防止」の項目で、科学的介護の推進とアウトカムベースの報酬評価の拡充について記載しています。
科学的介護の推進とアウトカムベースの報酬評価の拡充
・科学的介護情報システム(LIFE)について、現状では、介護事業所等にフィードバックされた情報の活用方法が明らかでないことなどの課題が指摘されていることを踏まえ、フィードバックされた情報の具体的な活用方法の周知、フィードバックの範囲について利用者個人の時系列のデータの追加などの改善を実施する。
・LIFEへの介護事業所等の入力負担を軽減する観点から、入力項目の重複の解消、入力選択肢の不足への対応、曖昧な入力項目の定義の明確化等を、令和6年度介護報酬改定と併せて実施するための検討を進め、必要な措置を講ずる
・介護現場におけるデータ収集及びデータ分析を活用した効果的なPDCAサイクルを実現するために、先進的な取組をしている事業者の実態も踏まえ、LIFEの項目の見直し等に際して、介護現場及び学術的観点から新たな項目の候補を提案いただき、活用可能性等の検討を経て、介護報酬改定時等に関係審議会へ提案するサイクルの構築に向けた調査研究事業等を実施する。
・介護報酬におけるアウトカム評価の在り方について、アウトカムを介護報酬に相当程度反映すべきとの要望が有ることに留意しつつ、関係審議会における議論を踏まえ、引き続き検討を行う。また、介護現場及び学術的観点から提案される情報について、専門家等による検討を経て、関係審議会において議論を行い、3年に1度の介護報酬改定につなげるサイクルを構築する。
この答申内容は、6月中旬頃に閣議決定される規制改革実施計画に記載される見通しで、2024年のトリプル改定に大きな影響を与えることは必至といえます。
規制改革推進会議「規制改革推進に関する答申~転換期におけるイノベーション・成長の起点~」
【関連トピックス】
<おさらい>2021年(令和3年)度の介護報酬改定はどのような方向性だったのか
シリーズ 令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会から
・特養における医療提供機能の現状と課題
・有料老人ホームなどの特定施設における医療提供機能の現状と課題
【関連資料】
【2023最新版】財務諸表から読み解く 黒字の特養 赤字の特養